「100人の壁」に備えて。「マネジメントの型」と「共通言語」がキーワード

新規事業開発支援に関連するプロダクトやサービスの提供において、唯一無二のポジションを築く株式会社Relic。
正社員数が100名を突破するタイミングで、EVeMのプログラム導入を決定。
「実は、よく言われる30人/50人の壁はRelicにはなかったのです」そう語るCEOの北嶋氏が、EVeM導入に踏み切った理由とはーー?

単純な研修ではなく実務に落とし込むイメージが湧く、考え抜かれたコンテンツ
ーーまずはEVeMのプログラムを知ったきっかけや、サービス説明を聞いて最初に受けた印象をお聞かせください。
北嶋:代表である長村さんの、300枚に及ぶスライドは以前から拝見していて、考え方や思想に非常に共感するものがありました。
また、Relicの業務委託のメンバーのうち数名がトライアル期間にEVeMのプログラムを受講していて、その評判が高かったため、法人展開のお知らせを見て早速申し込みました。
詳細を伺ってからも、単純な座学講座のように知識のインプットに終始するのではなく、日々の仕事の中で運用可能だという印象を受けましたし、長村さんをはじめ、多数のベンチャー組織を率いてきたトレーナーから直接指導を受けられるのは、メンバーにとって良い経験になると感じて導入を決めました。
ーー当時、会社として抱えていた課題や悩みはどんなものだったのでしょうか。
北嶋:Relicの事業が急成長しており、それに組織が追いつけていない、というのは肌感として常にありました。
事業に合わせて組織も急拡大する中で、新任でマネージャーを任せようとするメンバーの中には、ベンチャーにおけるマネジメント経験が少ないメンバーもいたという状況もあり、本人たちも不安だったと思います。
また、経験者についても大企業やメガベンチャーの出身者が多く、まだ小さい「ベンチャーやスタートアップならでは」のマネジメントがあるのではないか、様々なバックグラウンドのマネージャーがRelicのマネジメントについて意識を統一するための共通言語や軸が欲しい、と思っていたところでしたね。
創業に近いメンバーがかなり丁寧にマネジメントを行っていたこともあり、幸い、Relicではよく言われる「30人/50人の壁」は顕著には現れませんでしたが、いよいよ正社員数で100人という大台を前に、日々の会話を通じて、小さな歪(ひずみ)、あるいは予兆のようなものを感じていたのかもしれません。
ですから、このタイミングでのEVeM導入は「100人の壁に対しての予防策」という意味合いが強かったです。
キーワードは「共通言語」。マネジメント経験者も受講する意味があるのがEVeM
ーー実際に、プログラムを受講してみていかがでしたか。アウトプットや成果に繋がりましたか?
大丸:プログラムのなかで「目標・方針・KPI・重要アクション」というフレーズが繰り返し使われていますが、本当にそのまま日々の業務に活用することができました。
もちろん、当時からKPIによる管理や目標シェアができている部署もあったのですが、その粒度・完成度がまちまちであったので、マネージャー陣がまったく同じプログラムを受けたことで、会社全体の足並みが揃ったのがよかったと思います。
また、マネージャー陣がEVeMで学んだことを、次期マネージャー候補とされるメンバーに受け継いでいこうという動きが出てきているのも良いことですね。
倉田:社員間で、「共通言語」ができたことが特に良かったと感じる点です。
「EVeMでいうと、3回目で学んだ●●●だよね」「EVeMのシートに沿うと、ココの考慮が抜けていないか?」というコミュニケーションを取ることで、効率よく、しかし核心をついたやりとりができるようになりました。
さらに、個人的には「ベンチャーマネージャーの心得(44箇条)」が響きました。
44箇条もあって多いなとは思ったのですが、その分網羅的に理解ができたと思います。
なかでも、「マネージャーはメンバーの人生を預かっていると、心得ているか?」など、ピープルマネジメント的な側面が特に勉強になりました。
実は私、プログラム受講中に担当トレーナーと約束して、月次で44項目を振り返るスケジュールを月末の土曜日に入れているんです。
毎月、「まったくできていない……」と反省するばかりですが、よい内省のタイミングとなっています。

ーーEVeMのプログラムは膨大ですが、その中で特に印象に残った内容はありますか?
大丸:プログラム全体の量が多かったとしても、短尺の動画を見て学習、スプレッドシートを使ってアウトプット、トレーナーのフィードバックを受けながら修正していくというプロセスは、忙しいベンチャー企業のマネージャーでも無理なく続けられる構成になっていると感じました。
印象に残ったことをひとつ挙げるとすれば、「方針の良し悪し」を測る基準ができたこと。
トレーナーとの個人面談でも何度も意識させられたのが「工数小・インパクト大の【鮮やかな方針】を選択しろ」ということでした。
当時、自分もインキュベーション事業本部の方針立てに苦労していたタイミングだったのですが、方針や施策の幅出し、さらにその中から実施する施策の絞り込みをEVeMの方式で行ったところ、はっきりと目に見える成果を出すことができました。
倉田:一方、自分の担当領域であるSaaSビジネスについては、KPIや方針の設定や管理は当時からうまくいっており、正直課題感はありませんでした。
しかし、あるプログラムで「ヒトは感情の生き物である」という話があり…その時ハッとする自分がいたんですよね。
つまりは「ピープルマネジメント」の側面はまったく意識できておらず、組織を拡大し生産性をあげるフェーズと前後してこのプログラムを受けられたことは大きかったです。
それまで、ピープルマネジメントは「人柄に恵まれた一部の人」にのみできることだと思いこんでいましたが、自分のように天性の才能がなかったとしても、知識として学ぶことができるスキルであり、メンバーの心の部分を支えていくことも可能なのだと自信になりました。
ーー最後に、EVeMのプログラムはどのような企業に導入することが望ましいでしょうか。
倉田:短期的な売上を追うことに終止していたり、社員をいわゆるコマのように考えている会社には必要ないでしょう。
EVeMが本当の意味で活きるのは、社会の中での会社の存在意義を意識し、社員の成長にもコミットメントを強く持つような、いわゆる”ビジョナリー”な会社。
さらに言えば、歴史が比較的浅く、マネジメントのやり方にいい意味でこだわりがなく、新しい手法を柔軟に受け入れられる会社のほうが向いていると思います。
北嶋:確かに、すでに経験や会社としての「型」が出来上がっていると、組織になじませるのが難しいかもしれませんね。
先述の「30人/50人の壁」にぶつかる前のタイミングで導入するのがいいと思います。社員数が300人、1000人となると、導入に伴う様々なコストも高くなりすぎるので、それよりも早いタイミングで検討することを勧めます。
また、ベンチャーに限らず中小起業や社内新規事業チームにも活用できるマネジメントの型だとは思いますが、急成長を目指す・野心的な目標を置くタイプの組織にフィットする方法論です。
全体で上を目指そう、事業成長を目指そうという意欲の高い会社におすすめします。
ーー北嶋様、大丸様、倉田様、ありがとうございました!
EVeM HERO INTERVIEW
インタビュイープロフィール
株式会社Relicホールディングス
株式会社Relic
代表取締役CEO l Founder 北嶋 貴朗
慶應義塾大学を卒業後、組織/人事系コンサルティングファーム、新規事業に特化した経営コンサルティングファームにて多くの企業の組織戦略や新規事業開発を支援した後、DeNAにて新規事業開発の責任者として複数の事業創造を担う。
2015年に株式会社Relicを創業し、代表取締役CEOに就任。
企業の新規事業創出プログラムやアクセラレーションプログラム等でのアドバイザー/メンター/審査員としての活動や、有望なベンチャー・スタートアップ企業への出資・経営支援も行うなど多方面で活動。
著書に「イノベーションの再現性を高める新規事業開発マネジメント――不確実性をコントロールする戦略・組織・実行」がある。
EVeM HERO INTERVIEW
インタビュイープロフィール
株式会社Relic
取締役インキュベーション事業本部長 大丸 徹也
フューチャーアーキテクトにてITコンサルティングやシステム開発のPMを多数経験。
その後、DeNAでは、主にEC事業領域での新規事業や大手小売業とのオープンイノベーションによる新規事業の運営責任者を歴任。
2016年に株式会社Relicに参画し、大企業を中心としたクライアントやパートナー企業の新規事業開発やオープンイノベーションの支援、組織・人事制度の改革やインキュベーションプログラムの設計等において多数の実績を持つ。
2021年より、現職。
EVeM HERO INTERVIEW
インタビュイープロフィール
株式会社Relic
執行役員CGO l グロースマネジメント事業本部長 倉田 丈寛
リクルートにて幅広い法人営業に従事。
その後、経営コンサルティングファームにて売上1,000億以上の大手製造業及びIT企業を中心にマーケティング/営業戦略の立案から実行支援や、ECやBtoBマーケティングにおける戦略立案〜実行や、MA・SFAツールの導入までを支援。
Relicに参画後は、クライアントやパートナー企業の新規事業や、Relicのインキュベーションテック事業の成長・拡大を担うグロース責任者として短期間での急成長を実現。
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