「最も優先すべきは、事業を担う人を育てること」アドウェイズのデザイン組織が事業部100人の壁に直面し下した決断。

株式会社アドウェイズ

東京証券取引所プライム市場に上場している大手広告代理店の株式会社アドウェイズ。

同社で広告デザイン制作を担う花形部署のクリエイティブディビジョンは、EVeMプログラムによる組織体制の改善に乗り出した。約100名以上のデザイナーが在籍する組織に、どのような変化が生まれたのか。

目次

決め手は「ベンチャー企業に特化したマネジメント」

ーーどのような経緯でEVeMをお知りになったのでしょうか?

遠藤様(以下敬称略):たまたま、「ベンチャー企業に特化したマネジメント」をうたうEVeMの広告を目にしたことがきっかけです。そこには、以前一緒にお仕事をしていた長岡宏さんが映っていて、「なんだろう」と興味を引かれました。

というのも、当社には明確なマネージャーのための研修制度がなく、デザイナーたちをまとめ、チームを構築していくプロセスが手探り状態だったのです。

私と瀬川が自分たちの経験をもとに現場のリーダーと問題を解決していましたが、会社の規模が大きくなるにつれ、私たちが経験したことのないトラブルが現場で起きるようになっていました。

そのため、マネジメントの専門家によるトレーニングの必要性を感じていたんです。

ーーこれまで他の研修サービスは検討されましたか?

遠藤:実は、私は以前に半年くらいかけて外部のマネジメント研修を受講した経験があります。フレームワークを学ぶことで知識は増えましたが、全く異なる業界の人たちと一緒にケーススタディを行って進めて行くことが多く、お互いの組織の課題感がバラバラでなかなか課題に対して共感を得ることができませんでした。それもあって、自分の組織に合うマネジメント研修はどこにもないのではないのかと、正直どこに依頼すべきかは悩みの種でした。大手の人材会社さんによる研修は辟易としてましたし、「あらゆる企業に対応できます」という抽象的な内容ではなく、もっと実務によった解決手段を求めていたんです。

ーーそこでベンチャー企業に特化しているというコピーが刺さったんですね?

遠藤:まさに、その通りです。

EVeMはそれらとは一味違うかもしれないという期待を胸にまずは個人向け体験学習に参加しました。その内容は、まさに当社が求めていたものでしたね。

というのも、当時のわたしたちは、目標設計や組織構造といった戦略面からマネージャーとメンバーのコミュニケーションといった現場でのアクションに至るまで、複数の領域に渡って大小さまざまなマネジメントの課題が遍在している、という問題がありました。ベンチャーマネジメントの地図に代表されるように、御社が体系的なマネジメントを教えていらっしゃるとわかり、これはまさしく今のウチに必要なものだと。

その後、長岡さんから企業向けプログラムについての存在を教えてもらい、代表の長村禎庸さんと話す機会を得ました。

瀬川様(以下敬称略):長村さんからは、「マネジメントをしていく上での型は全て取りそろえている」と力強い言葉を聞けたのです。非常に説得力があり、その一言が導入決断の後押しになりました。

約100人に対し、少なすぎた役職者の数。

ーーEVeMプログラムを始める前はどのような組織体制で、どんな課題を抱えていたのでしょうか?

遠藤:当時、クリエイティブディビジョンは大きく三階層あり、約100人が働いていました。私と瀬川が全体を統括するマネージャー。我々の下位に現場のリーダー職がいて、彼らが大体10~20人ぐらいのメンバーからなるユニットを管理していました。現場リーダーも7~8人です。

瀬川:デザイン組織には、広告を作成している部署と、自社のデザイン関係の仕事、つまり広告以外の仕事をするサービスデザインという部署があります。

同じデザイン領域ですが、それぞれの部署でチームが細かく分かれている上、部署間で価値観や仕事の進め方に大きな違いがありました。

例えば、広告の部署だと受注から一日で納品しなければならない仕事も数多くありますが、サービスデザインの部署では、サービスの開発に半年や1年かけて地道に取り組んでいきます。そんな両者が同じ目標を持つことは困難だと感じています。

遠藤:そもそも、役職者の数が少なすぎるという問題もありました。デザイナーは職種の性質上、デザインの技術力のスキルアップを目指す社員が多く、マネジメント職を目指す人は決して多くありません。

EVeMのトレーニング以前は、デザイナーが100人もいるのに、役職者が7〜8人しかいなかったのです。一人のマネージャーが管理するメンバーの数が多過ぎる部署もありました。

また、技術職あるあるですが、デザイナーには他人とのコミュニケーションに苦手意識を持つ社員もいるので、価値観のすれ違いによるトラブルも多々ありました。現場リーダーが仲裁に入ろうとするものの、現場リーダーにとっても大きな負担になっていたはずです。本当は部全体でポジティブな話し合いを進めたいところですが、なかなかそれができませんでした。

そんな問題が起きていても、私たちはマネジメントを自分達の経験上でのセオリーでしか知らないため、手探りで判断することも多かったと思います。

私個人の課題で言うと、もともとはデザイナー出身で、数字を定量的に追う経験が実務上少なかった為、KPIを定量化して示すことに苦手意識がありました。目標設定のプロセスを深く知る必要があると考えていたのです。

マネージャー同士が一つのチームになれた

ーーEVeMプログラムの導入前後で組織内にどのような変化が表れましたか?

瀬川:今も受講途中ですが、受講が完了した部分では現場リーダーたちに共通言語ができました。

遠藤:プログラム上でディスカッションやワークショップを複数回行うことで、コミュニケーションの量も増え、お互いの価値観を理解し合えたと言えるでしょう。それに、一人ひとりのスキルが上がり、物事の判断が早くなったと感じています。

今までは私と瀬川で考えていたような組織戦略に関しても、現場リーダーに移譲できるようになりました。

リーダー同士の横の連携が強くなり、以前よりもグッとスピード感が上がったような印象です。現場リーダーが担当領域の戦略業務を担ってくれるようになってきましたので、我々はより上の戦略軸で考えられるようになります。

ーー特に印象に残った講義はありますか?

遠藤:私は「目標・方針・KPI・実行アクション」。これを学べたことは大きかった。

デザイナーの目標はすごく立てにくいのです。ゴールを定量化しづらいため、ビジョンとミッションとパーパスをプログラム中に瀬川とつくり直し、長村さんにレビューしてもらいました。

そのときは、デザインの力で「顧客」と「ユーザー」の問題解決をする。という言葉を使っていましたが、長村さんからは、「スタンスが二つあるからどちらかに絞った方がいい」とアドバイスをいただきました。デザイナーが一番近いのはユーザーであり、「私たちはユーザーを一番に考える」というスタンスができたことで、全ての経営判断がしやすくなりました。長村さんの一言のおかげです。

瀬川:どの講義もとても勉強になりました。

特に印象に残ったのは、意思決定のプロセスです。

それまで私たちは「方針を決めるときは誰が最終決定をするか」という型をもともと持っていませんでした。ですが、長村さんは、「どういうときに誰が責任を負うのか」を全て言語化してくれました。今では責任を負う人が意思決定するという指針ができているので、このような悩みは生まれなくなりましたね。

このように、トレーニングの中で、通常であれば曖昧になりがちな、目標設定の仕方、評価の仕方など、さまざま項目について、一つひとつ明確な型ができました。

また、逆に明確にならない部分に関しては、逐一その場で聞くことができます。その環境も含めてとても得難い経験だと思っています。

ーー現在、現場リーダーにもEVeMのプログラムを受けていただいています。弊社のアカウントパートナーから、オブザーバーとして受講状況や個人の資質についてレビューさせていただいていますが、そちらはいかがでしょうか?

瀬川:僕はすごくありがたかったですね。私たちの組織形態や受講者の特徴、私たちが導きたいメンバーのキャリアを意識しながらプログラムを進めてくれたので、「そんなことまで見てくれるのですか」という驚きが何度もありました。

一緒にマネジメントをしてくれるようで、これは本当に助かりました。

組織も事業も、成長させるのは「人」。欠かしてはいけない「人」への投資。

ーーEVeMプログラムはどのような会社におすすめでしょうか?

瀬川:社内にマネジメントについて学ぶ際、考え方の型がない会社です。このプログラムを受けることによって、その型を持てるようになります。共通言語が社内にできあがりますから。

遠藤:私はやはりベンチャー企業にとっては非常に有効だと思います。ベンチャー企業の経営者って、事業を拡大させていくことは得意であっても、人を育てられずに困っている人が少なくない。そんな経営者が率いる会社には、EVeMはものすごくフィットすると思います。

ただ、弊社のようなメガベンチャーにとっても、非常に有効だと思います。わたしたちもそうでしたが、3年や5年で急成長すると、どうしてもマネージャーの数が少ないという課題に直面します。

具体的には、100人を超えたあたりが一つの鍵なのではないでしょうか?

ーーEVeMの導入を迷っている方がいたら、どんな言葉をおかけしますか?

遠藤:やらない言い訳はたくさんあると思うんです。決して小さい金額でもありませんし、研修などはどうしても後回しになりがちな側面もあります。

ただ、結局マネジメントって、今ある課題を放置してても、解決しないんですよね。誰かが課題を解決してくれることはないんですよね。

弊社もそうですが、EVeMを皆で受けることで、最終的にタスクだったり、抱えている事を、他の人にも分散できる組織に変わっていきます。そう考えると、講義を受けても即座にリターンが得られるわけではありませんが、長期的な目線ではむしろ割安だと思うんです。

瀬川:私は体験講義で見せてもらったスプレッドシートの型が非常に印象的でしたね。

このマネジメントの型が実際に組織で運用されるようになれば、とてもいい組織ができると感じました。迷っているのであれば、まずは体験セッションを受けてみれば良いと思います。少なくとも弊社の場合は、決め手の一つになりました。

ーー最後にこの記事をみている方にメッセージをいただけますか?

遠藤:結局、組織も事業も人が作るものです。人が育ってない状態では、組織も事業も伸びていきません。

もし、事業と育成の両面に課題があるのであれば、まず、メスを入れるべきは人の育成なのではないでしょうか?

事業を担う人間を成長させる。それを第一優先にしなければ、仮に事業が成長しても組織を大きくすることができません。

仮に今が苦しいとしても、課題があるのならば、ぜひマネジメントと向き合ってもらいたいと思います。

ーー遠藤様、瀬川様ありがとうございました!

EVeM HERO INTERVIEW
インタビュイープロフィール

遠藤 由衣 氏
株式会社アドウェイズ
ビジネスデベロップメントグループ デザイン領域 副本部長

2010年 アドウェイズ新卒入社。広告企画営業職を経験後、2012年、デザイナー職へ異動。現在ビジネスデベロップメントグループ  デザイン領域の副本部長としてマネジメント業務に従事。

EVeM HERO INTERVIEW
インタビュイープロフィール

瀬川 和明 氏
株式会社アドウェイズ
ビジネスデベロップメントグループ クリエイティブディビジョン ゼネラルマネージャ

2014年 アドウェイズ 中途入社。ビジネスデベロップメントグループクリエイティブディビジョンのゼネラルマネージャとしてマネジメント業務に従事。

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